予防というあがきへの違和感

介護保険事業の「介護予防」というものに関わってきて1年が過ぎた。

理学療法士として、利用者様の身体機能を高めるように関わるのが、私の立場だった。
国が我々に求めているものも、身体機能の維持、向上。
「身体機能」・・・。

私達人間は、他の動物以上に強い「意志」を持っているのが特徴であると思う。
それは本能とは違い、目的を要する。

脳梗塞モデルのネズミは勝手に餌を求めて動き回って、知らず知らずに機能回復してしまう。
しかし、人間は、色々と考えないと動けない。
理由が無いと、動こうとしない・・・。

人間を動かしているのは、身体機能ではなく、「思い」だと思う。

思いが大脳皮質を大きくしたのかもしれない・・・。

では、介護予防で行っている事は何なのか?
最近、違和感を覚えている。

身体機能の回復とうたってはいても、もちろんそこに重きを置いて来所してくれている方もいるが、殆どの方が、「楽しいから」、「皆さんに会えるから」ではないか。
身体機能はある意味限界がある。
老化は避けれないし、死も避けれない。

避けれないものに対して、あがいて生きていくのが美しいだろうか?
私は、衰えを受け入れながら穏やかな顔をした老人が愛おしい。

最近取ったアンケートでも、機能よりも、この場所に来るのが楽しみだという意見を多く見受けたを。

私達は、機能回復という名のもとに事業を行ってはいるが、その利用者様の「思い」を引き出すことがもっと重要である事を知っておかなければならないと思っている。

ある意味、「場」の提供に過ぎないとも思っている。
いや、その「場」を実は、利用者の方々は求めているのかもしれない。
自分の「思い」が出て来れる「場」を。

私は、それは在宅でもいいし、町営の温泉でもいいし、公民館でもいいと思っている。

我々、運動機能の専門家は、そういった所に呼ばれて出向くみたいなくらいでいいのかもしれない。
また、そのような「場」が無い地域では「場」をつくる事が必要なのだろう・・・。

運動が重要なのは明白だが、運動を行う「思い」がもっと重要なのであろう。
「思い」と向き合っていける人間になりたいなぁ・・・。
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この記事へのコメント

カヨちん
2007年10月03日 14:15
そうなんやて!(^^)!
運動が大事ってことはみんなわかってて、参加してると思ってた。
けど、話をすればやはりナナさんのいうように『思い』があるんな。
それこそ、「ここでなら自分と向き合える」「あの頃の自分に近づきたい」
「話ができて楽しいし前向きになれる」「友達と旅行に行きたい」さまざまな『思い』があってそれを叶えたくて場を求めて行動してるんやって。
だから、場が事業所なり、病院じゃなくてもいいんさな。
その人が生きてく過程の1つに運動があるんやな~って思う。
深いね

ジョージ
2008年02月25日 17:54
>カヨちんさん
「思い」が何か、評価できて、行動の原動力として必須である事が証明してある研究は無いだろうかね?
心理学の分野でありそう。
勉強して、文献的にも言えるように頑張ります。

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